フューチャー・イズ・ワイルド

フューチャー・イズ・ワイルド

自然ってたくましい!
 今世界にいる生物は、人間も含めて最初から今の姿で完成されていたわけではなく、どこかで進化(退化?)し、変化して今に至っている。  ということは、この先何十年、何百年、何千年と時間をはや送りすると、そこにはさらに変化した生き物の姿があるのではないか?  そんな空想を形にして楽しませてくれるのが本書だ。それもただの絵空事ではなく、地球科学者や生物学者といった専門家が綿密に計算した空想。地上を巨大イカが歩き回り、空にはバカでかい蜘蛛の巣が。さらに山頂からはツルの子孫が四枚の羽で器用に滑空。そのどれもが、実際に観察したような綿密さで堂々と「あるもの」として描かれる。  未来の進化への考察は同時に過去の進化にも光を当てることとなり、生物、科学への理解を深める読み物としては申し分のない内容だ。人間の一生程度の短さでは届かない未来をかいま見る読み物としても楽しめるし、科学やSFに造詣が深ければ『ここがおかしい』と指摘して遊べるだろう。  こんな生物が実際に動いているところを見たいなあと思うが、残念なことに真偽を確かめられるのは2億年後のこと。今は想像してニヤニヤするほかない。(M)

 ◇ フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界 著/ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス 監修/松井孝典 訳/土屋晶子 ダイヤモンド社



食語のひととき

食語のひととき

かりかり、ぽくぽくなど、食べ物にまつわる擬音語・擬態語を春夏秋冬に章立てして紹介・解説。食を表現する言葉は、読むだけでリアルに食感を連想させてくれる。解説は言葉のルーツのみでなく、最近の漫画なども参考にされており読みやすい。(M)

 ◇ 食語のひととき 早川文代 毎日新聞社



東京を騒がせた動物たち

東京を騒がせた動物たち

明治時代の新聞から、動物が起こした珍事の数々を収録。犬猫を除外しているにも関わらず、その数は豊富で、普通の動物の記事だけでなく「肥溜めに雷獣が落ちる」といった記事などで当時の迷信や生活習慣をうかがい知ることもできる。(M)

 ◇ 東京を騒がせた動物達 林丈二 大和書房



馬鹿で間抜けな発明品たち

馬鹿で間抜けな発明品たち

偉大な発明の影には、日の光を浴びることのない膨大な発明品の数々が隠れている。自動三つ編み機など、アメリカで実際に特許は取得してあるものの、未だ、そしてこの先も日の目を見ないであろうというオモシロ発明品を図入りで紹介。(M)

 ◇ 馬鹿で間抜けな発明品たち テッド・ヴァンクリーヴ 主婦の友社



社会のマナーも日々刻々と変化している。髪の色からメール会議、「〜からでよろしかったでしょうか」なバイト敬語、外国からの来客のもてなしなど、気になる現代平成版のマナーを紹介。新社会人の準備版としてもおすすめの1冊。(M)

 ◇ 新・オトナの学校 仕事常識 日本経済新聞社 日本経済新聞社



知ってるようで知らないものの数えかた

知ってるようで知らないものの数えかた

何でも「1個」と数えるのではつまらない。額だけなら一架(いっか)、絵が入ると一幅(いっぷく)…など、物の数え方を読み仮名と可愛らしいイラストで解説。暦や数を知り、正しく語いを増やせば一回りオトナになれそう。巻末にはクイズ付き。(M)

 ◇ 知っているようで知らないものの数えかた 小松睦子&ことば探偵団 幻冬舎



日本のスイッチ

日本のスイッチ

iモードを使い、日本の万単位の人間のアンケートを取るという毎日新聞連載企画の単行本化。「夜道で危なくなったら駆け込むのはコンビニ」「最近野良犬を見なくなった」など、そういえば…と環境の変化に気付かされる結果が見えてくる。(M)

 ◇ 日本のスイッチ 慶應義塾大学佐藤雅彦研究室 毎日新聞社



ぼくのオペラへの旅 単行本

ぼくのオペラへの旅 単行本

オペラは高くてハイソで敷居が高い? スカラ座オペラ座などの有名どころから小さな劇場まで、音楽評論家が触れた各地のオペラや音楽祭の楽しみ方を旅の思い出と共に語る。西洋のオペラの歴史とその奥深さを知る手引書としても優れている。(M)

 ◇ ぼくのオペラへの旅 黒田恭一 JTB



ニッポン・リトルアジア探検隊

ニッポン・リトルアジア探検隊

日本の中にある不思議な外国、アジアタウン=リトルアジアにタイやアジアが大好きな著者らが飛び込み、『現地の味』に舌鼓。東京をはじめ、関東、関西、東海エリアのアジアタウン情報を掲載している。利用時のマナー情報なども参考にしたい。(M)

 ◇ ニッポン・リトルアジア探検隊 新紀元社