Sink 1 (バンブー・コミックス)

Sink 1 (バンブー・コミックス)

恐怖が不安を呼び、その不安が次の恐怖を呼ぶ
 「ぼのぼの」の、いがらしみきおが描くほのぼのしていない本格ホラーサスペンス。2001年2月から月ごとにweb上で連載されているものの、第9話までを単行本化した。  大学教授の公一は、異様に首の長い女と手の長い男に出会った次の日、家の前にある電柱の高いところに自転車がくくりつけられてあるのを発見する。同じ日、彼の息子・駿がガールフレンドのストーカーに刺され重傷を負い入院。しかし、これが予兆であった。まず電灯やテレビの電源がひとりでに落ち、また近所には無数のタイヤが埋め込まれる壁が出現。そのうち、退院して家にいる駿の行動が異常化し、服を着られず、箸をまともに使えず、部屋からも出なくなる。そして、ついには家の中に誰かの人影がちらつくように…。同じ大学の教授で、オカルト的なものを研究している林に「異様なものはバランスを崩す。気を付けたまえ」という謎めいた警告を受けていたが、すでにバランスは崩れていたのだ。  これを読んで感じるのは、じわじわと何者かに追いつめられる不安と恐怖。得体の知れない相手が、道理では考えられない出来事を行う。あえて淡々と描き進むことで現実感も強調。いったいこの異常現象の正体は何なのか?   続きは「Sink」(http://www.web-sink.com/)で連載中。

 ◇ Sink いがらしみきお 竹書房



ガンダルヴァ 1 (イブニングKC)

ガンダルヴァ 1 (イブニングKC)

普段辺りに漂う匂いや、香水などの意識的な匂い。そんな匂いを自在にかぎ分け、香りを作り出す男が主人公。匂いにまつわるトラブルに彼が関わると、その物語は急に芳しい香りを放ち出す。読めばきっと「匂い」に興味が沸くはず。(N)

 ◇ ガンダルヴァ(1) 正木秀尚 講談社



Stone 1 (アフタヌーンKC)

Stone 1 (アフタヌーンKC)

最後の宇宙飛行士は言った「かつて地球は青かった」。すべての陸が“沙”という不透明の液体に覆われ、わずかに生き残った人々が壊れた船の中で生きる未来。少女ジジが幻の大陸を目指して沙の海に旅立つ。「要塞学園」の作者、待望の新作。(S)

 ◇ STONe(1) ヒロモト森一 講談社



中世ヨーロッパ(推定)の森の奥に住む偏屈青年の元に、勝ち気な少女が住み込み家政婦としてやって来た。甘いモノ好きのご主人様のため、彼女はお菓子作りに励むが…。表題作のほか、戦時中の幼い女囚を描いた「651のブルー」など3編を収録。(A/)

 ◇ ご主人様に甘いりんごのお菓子 藤田貴美 幻冬社



西武新宿戦線異状なし―完全版 (角川コミックス・エース)

西武新宿戦線異状なし―完全版 (角川コミックス・エース)

日本国内での内戦が始まり、東京は革命軍の手に落ちた。その後、革命の夢を持ち廃墟の首都に向かう高校生が主人公。彼がわずか4人の小隊(しかも反革命的な)の一員として体験する戦争と青春。番外編が加わり、完全版で再版(N)(A/)

 ◇ 西武新宿戦線異状なし 原作/押井守 作画/大野安之 角川書店



クールパイン (Feelコミックス)

クールパイン (Feelコミックス)

フツーの女子高生・里香。流れるままになんとなく男とデキて、ソイツにハマった頃に友達に寝取られて…。過ぎていくリアルな日常を淡々と追った、少女マンガの現代バージョン。女の子は無気力に見えてもけっこう色々考えてるんです。(A)

 ◇ クールパイン 南Q太 祥伝社



戦前、剛速球で甲子園を沸かした左腕の投手・久蔵。戦争で左腕を無くした彼は、それでも野球を諦められず、家庭を犠牲にしながら右腕一本でプロ野球を目指す…。野球が持つ恐ろしい魔性を感じさせながら、その素晴らしさを感じさせながら。(S)(A/)

 ◇ さよならレフティ 原作/小倉和之 作画/山本おさむ 小学館



サユリ1号 v.1 (ビッグコミックス)

サユリ1号 v.1 (ビッグコミックス)

もうこの先は見たくない。2人が傷ついていく痛さが伝わりすぎるから。それほど繊細な恋の話だ。幼なじみのナオヤ(男)とちこ(女)は、兄弟と同じような関係。だが、ナオヤが理想の女・サユリ(小悪魔系)と出会い、何かが変わり始める。(S)(A/)

 ◇ サユリ1号(1) 村上かつら 小学館



ハッピーエンド (KCデラックス)

ハッピーエンド (KCデラックス)

人に依存して生きているショーコ、自由奔放だったのに突然結婚したアキラ、役立たずの落ちこぼれ・マリエ。ショーコからのビジョンを軸に、様々な人間模様を10年以上にも渡って描いた書き下ろし長編。やっぱり最後はハッピーがいいよね。(A)

 ◇ ハッピーエンド ジョージ朝倉 講談社