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癒しのチャペル

コレっぽっちも癒されない人へ

　人間は社会性動物だと言われる。その真偽はともかく「これ言ったら（やったら）気まずいよな……」という理由で何かを断念することはほとんどの人間にあるだろう。世界にはタブーがあり、オカシイなぁとは思っているのだがみんなが良いと言っている所にわざわざ歯向かいたくもない『世間様の共通意識』がある。
　ところが著者である辛酸なめ子の筆は、むしろそういった危険な聖域で冴える。
　なにより丁寧かつ冷静でありながら毒を含んだその文章は、例えるなら内向的に、かつより因業度の増したナンシー関。はぐれ者怨念系と言っても過言ではない。
　その劣等感と疎外感を逆に武器にして女子アナ、精神世界、ボランティア、大物タレントなど他の人間が手出ししたがらない事象に急角度でえぐりこむ姿は、『いっぱしの知識人』を気取ってというよりは『文化の違う民族の祭りを眺めている観光客』。唖然とたたずむ様まで連想させるほどに、著者はどの世界にもなじめないまま流浪する。そしてその怪しさにとどめをさすのがヤバイ思念が漏れ出しているようなさし絵。全てひっくるめて、うかつな感想を言えば呪われそうなただならぬ凄みがこの本にはある。（M）

　◇　癒しのチャペル　辛酸なめ子　白夜書房

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日本オタク大賞

岡田斗司夫、唐沢俊一、眠田直、切通理作、氷川竜介らオタク界の名士・論客がテレビに集い、2001年12月から2002年12月までを月ごとに振り返る「第二回日本オタク大賞」の模様を書籍化。華麗なる知識の世界は注釈も充実の安心設計だ。（M）

　◇　日本オタク大賞　鶴岡法斎　編　扶桑社

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サドルの上で考えた―自転車的なる精神の欠片

TBS「ブロードキャスター」のディレクターであり1日あたり約1時間半・往復24・を自転車通勤についやす著者が「号外って何だろう」「キムチ美味いよなあ」など、サドルの上で考えたとりとめのないことを時にユーモラスに時にコ難しく語る。（M）

　◇　サドルの上で考えた　自転車的なる精神の欠片　疋田智　東京書籍

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恋するカツラ

「カツラー（著者考案・カツラ着用者の愛称）」は、恋をしたらどうなるのか。世の女性達は、本当にハゲの男性が嫌いなのか。デートの苦労、カツラを告白すべきか否かの葛藤など、自らもカツラーである著者が追う悲喜こもごもの恋模様。（M）

　◇　恋するカツラ　小林信也　青春出版社

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牢屋でやせるダイエット

朝、目がさめたらマトリ（厚生労働省麻薬取締部の麻薬取締官）がいた…。大麻取締法違反で懲役10ヶ月執行猶予3年の判決を受けた中島らもの、22日間の拘置生活を赤裸々につづった復帰作。なお著者は復帰後「手錠サイン会」なども行っている。（M）

　◇　牢屋でやせるダイエット　中島らも　青春出版社

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100の指令

「100人の知っている人の名前を書いてみよう」「一番深い穴を掘ろう」など、ページの真ん中に1つづつ、100個の指令だけが書かれている本。使い方、感じ方は自分次第。指令を経験した人の感想を書いた特別付録「ある日ある人の反応」付。（M）

　◇　100の指令　日比野克彦　朝日出版社

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安野モヨコ対談集 ロンパースルーム

「H」で連載された安野モヨコと表現の場に関わる人間との対談を収録。登場人物は及川光博、大槻ケンヂ、よしもとばなな、奈良美智、庵野秀明など。安野モヨコが書いた各人のイラストも掲載されており、井上三太との単行本語りおろしもあり。（M）

　◇　安野モヨコ対談集　ロンパースルーム　安野モヨコ　ロッキング・オン

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やっとかめ!大名古屋語辞典

1994年に出版された名古屋辞典に大幅な修正と加筆を行い、21世紀の生きた名古屋の姿を反映するものとして「やっとかめ」登場。軽妙な文章と漫画で楽しく名古屋をのぞき見る。辞典であると同時に名古屋を知る読み物としもおすすめ。（M）

　◇　やっとかめ！　大名古屋語辞典　清水義範／なかむら治彦　学習研究社

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小西長之助写真全集第1集「パリ散歩[1]」
アートグループ・サミュゼを結成し精力的に撮影を行う香川出身の著者が選ぶ写真生活集大成。希望者はA4版10点セット（解説つき・紙ケース入り）で白黒2000円orカラー2500円に送料400円を加えて、郵便振替口座01650-6-4827「小西長之助」へ。（M）

　◇　小西長之助写真全集第1集「パリ散歩[1]」　小西長之助　CHOU・ART工房　書店流通なし