おやじ、ありがとう

おやじ、ありがとう

父の日はもう、過ぎたけれど
 しつけに厳しい父、甘やかす父。理由もなく怒っている父、いつもニコニコ笑顔の父。生真面目に働いてばかりいる父、仕事する姿を見たことがない父。家族に自己主張をしない父、自分の言うことを聞いてもくれない父。世界的に有名人である父、子供の自分ですら顔を知らない父…。  この本に出てくる父親の、ほんの一例。人間は一人一人違うと言うが、「父親」という一つのカテゴリでくくっているのだ。“このお父さんとあのお父さん、ちょっと似てるかも”ぐらいは感じると、読む直前まで思っていた。が、スポーツ界、芸能界、政界など、総勢80人ほど登場する有名人の父親達は本当に様々。共通点どころか、似てると思うことすらなかった 。だが、自分なりに掴んだ一つの確信がある。  父親の心には、子供のことを想う場所があること。そして子供の心には、父親のことを刻み込む場所があること。つまりお互いの心には、お互いの居場所が必ず、どこかにはあるんじゃないかと思うのだ。もちろん有名人に限らず、世界中に存在する父親と子供、すべてに当てはまることだけど。  もしかしたら、これが「血」というものなのかも知れない。そんなことを考えながら、自分の父親の顔を思い浮かべる。…久しぶりに二人で話さない? お父さん。(F)

 ◇ おやじ、ありがとう 講談社



推定恋愛 (講談社文庫)

推定恋愛 (講談社文庫)

雑誌「ViVi」に連載された人気短編小説が単行本化。てっきりオシャレ系かカゲキ系だと思っていたら、現代の日常を舞台にした純粋な恋愛小説だった。そう、携帯やメールなんて便利なテクノロジーも、恋愛の前ではただの道具になるんだよねえ。(F)

 ◇ 推定恋愛 森浩美 講談社



シナブロ―若い韓国を知る本

シナブロ―若い韓国を知る本

日本で思春期を過ごした韓国人の著者が韓国を紹介。日本と韓国の関係を�d韓国の片思い�eと言い切り、知ってるつもりになりがちな韓国のイメージを壊してくれる。ワールドカップに熱い人、「韓国」と聞けば「キムチ」と答えてしまう人はぜひ。(F)

 ◇ シナブロ 若い韓国を知る本 アン・ヨンヒ 小学館



まじめな生活

まじめな生活

人気イラストレーターの「生活」に関するエッセイ。柔軟な考えと思い切った行動で、単純だけど難しい�d日常を快適に暮らす�eを実践している。ストレートだけど気の利いたタイトル、馴染みやすいイラストにも著者のスマートさが表れているよう。(F)

 ◇ まじめな生活 大橋歩 大和書房



太っ腹対談

太っ腹対談

雑誌「小説現代」の人気連載をまとめた対談集。ヒトゲノム博士、早食い王、放送作家に美人女将まで、様々な人達とおいしい料理を食べつつ、二人と話を交えていく。ちなみに我らが麺通団団長も登場。うどんについてしっかり語り合ってます。(F)

 ◇ 太っ腹対談 東海林さだお椎名誠 講談社



スローグッドバイ

スローグッドバイ

現代の恋人達の別れをテーマにした、作者初の短篇集。この手の本ははっきり言って腐るほどあるだろう。けれど、絶望的でドロドロとなりがちな題材をすっきりと、しかも軽いタッチで描いているのが新しい。読み終わりは爽やか、いい気分。(F)

 ◇ スローグッドバイ 石田衣良 集英社



一円大王

一円大王

例えば米。一円だけ買うと? 例えば床屋の散髪代。一円分だけ切ってもらうと? 「ありそうでなかった」と言うか「ありそうだけど誰もやらなかった」一円の買い物に挑戦した著者の体験記。にしても、買えたら領収書までもらってるのがスゴイ。(F)

 ◇ 一円大王 谷口英久 道出版



だらしな日記―食事と体脂肪と読書の因果関係について考察する

だらしな日記―食事と体脂肪と読書の因果関係について考察する

食う、呑む、寝る、読むことが好き。体脂肪率は40%弱、風呂は3日に1回ぐらい、トイレの後は手を洗わない…こんな書評家(女性!)の毎日を綴っていく。もうタイトルそのまんまの内容で、あきれるのを通り越して爽快感あり。見習わないけど。(F)

 ◇ だらしな日記 藤田香織 幻冬舎



超アーケード

超アーケード

平安京エイリアン」から「バーチャファイター」まで、ゲームセンターに登場したアーケードゲームを考察し、年代別に収録。知ってる人は懐かしいだろうけど…と思いながら読んだが、意外や意外、知識ゼロでも独特のレトロ感なんかが味わえる。(F)

 ◇ 超アーケード 多根清史ほか 太田出版