加爾基 精液 栗ノ花 (CCCD)

加爾基 精液 栗ノ花 (CCCD)

身震いは、恐怖から快感に変わる
なんだかしっくりいかなかったのだ、2ndアルバム『勝訴ストリップ』以降の椎名林檎には。3枚組シングルも悪くなかったし、ビデオには未発表曲が多数。妊娠・出産のブランクは不安だったけど、無事に戻ってカヴァー集も聴かせてくれた。でも、満たされなかった。望んでいたのは“オリジナルアルバム”。それが彼女の音楽性と世界観を最も感じられるものだと思っていたから。やっと、聴ける。  最初に感じたのは、恐怖。静かで繊細な音が緊迫した空気を作り出し、両耳に囁きかけてくる声に思わず身震いしてしまう。音楽だけでこんなホラー映画並みの怖さを憶えるなんて。次いで気づいたのは、街の喧騒、遮断機の音、ラジオの声、ノイズまでも取り込んだ「音楽」。その雑音が、リスナーの瞼の裏にあるスクリーンに映像を与える。オーケストラを従えた壮大なアレンジや古めかしい詞の言い回しで、映像はより鮮やかに。架空世界は大正ロマネスク。そして、茶色く色あせた街の風景に降り積もる、声。以前のように力むことは少なくなり、淡々と、しかし不思議な存在感で紡ぎ出される林檎節のうねりに引きずり込まれていく。  気づけば、浮き世を忘れて映し出された世界の中にいた。できれば、戻ってきたくなかった。(A)

 ◇ 加爾基 精液 栗ノ花 (CCCD) 椎名林檎 東芝EMI



We're a Happy Family: a Tribute to Ramones

We're a Happy Family: a Tribute to Ramones

亡きジョーイ&ディー・ディーに捧ぐ、ラモーンズのトリビュート。集まったメンバーが凄い。レッチリからメタリカU2トム・ウェイツグリーン・デイなど、一流どころがズラリ登場! みんな早い、短い、気持ちいいのパンクが好きなのね。(W)

 ◇ We're A Happy Family-A tribute to the RAMONES- V.A. Sony Records



CAKE;LAKE

CAKE;LAKE

子供と大人の過度期にいる青春ロック少年たちのミニアルバム。荒削りだけど印象的なギター、跳ねるリズム、あどけないヴォーカルを聴けば、走り出したくなるような焦燥感を覚える。それはいつしかポジティブな気持ちに変わっていくのだ。(A)

 ◇ CAKE;LAKE NANANINE WARNER MUSIC JAPAN



タナトス

タナトス

ミディアムバラード、アップテンポのハッピーソング、シャウトが効いたハードナンバーと幅広い楽曲を、突き抜けた高音でパワフルに歌う。強い意志を感じる3ピースガールズバンド。大胆にアレンジしたユニコーン「大迷惑」のカヴァーも○。(A)

 ◇ タナトス speena cutting edge



星とケモノ

星とケモノ

の〜んびり、ゆっくり。ひたすらマイペースな歌詞とサウンドに、聴く方も彼の“のほほん気分”が移ってしまう。でもその中で時折ホロリとさせられたり、大切なものが見えてきたりする。これも一種の癒し系? プロデュースはPolalisの柏原譲。(A)

 ◇ 星とケモノ Brownies Imperial Records



too (CCCD)

too (CCCD)

FPMが様々なヴォーカリストを迎えて放つ、約2年振りのオリジナルアルバム。ハウスをベースにしながらも、乗っかるビートとメロディでライト&ポップに仕上げている。どの曲もパーティーチューンにピッタリで、もう踊らずにはいられない・(A)

 ◇ too Fantastic Plastic Machine cutting edge



Kollected: The Best of Kula Shaker

Kollected: The Best of Kula Shaker

エッ?!、クーラ・シェイカーって、2枚しかオリジナルを発表していないのに、ベスト? 侮るなかれ。本作は、彼らのベスト作品にB面曲、限定版シングル、未発表スタジオ曲まで加えた、マニア垂涎の作品だ。初回版のみCDとDVDの2枚組。(W)

 ◇ Kollected:The Best Of Kula Shaker Kula Shaker Epic Records



Rhythm&Brazil

Rhythm&Brazil

熱と色気を帯びたブラジリアンサウンドが、深いところから静かに響いてくる。海辺のバカンスにハマりそうなゆるやかなナンバーや、ダンスフロアを沸かせるパワフルチューン「I Say A Little Prayer」のカヴァーなど、多彩な8曲を収録。(A)

 ◇ Rhythm&Brazil LAVA JLA Amusement



SUPERSTARS・ V.A. ユニバーサル ミュージック

アバの「ダンシング・クイーン」にスタカンの「シャウト・トゥ・ザ・トップ」、プリンスの「ビートに抱かれて」と、洋楽ヒット曲おせち料理状態の企画モノ。懐かしい?新鮮? ブームである80年代中心の選曲は、あなたの音楽リトマス試験紙に。(W)

 ◇ SUPERSTARS・ V.A. ユニバーサル ミュージック 2003-03