LUNO (1) (ガンガンコミックスデラックス)

LUNO (1) (ガンガンコミックスデラックス)

生命を操ることで、幸福は得られるのか?
 最近完結し、映画化やOVA化もされた「羊のうた」の作者、冬目景の新刊が出た。羊のうたは一族に伝わる奇病に冒された姉弟を中心にした物語だった。閉鎖した、静かな世界のなかで、描かれる心模様がとても繊細で、哀しかった。今回は西洋が舞台。マンガには珍しいハードカバーという本の体裁にも合った、真摯で品のある様子を感じさせる。  行動的ではないが機知のある少年・ティート、追われる少女・ジータ、彼女を追う大教団の教祖・モルト、そして謎の老人・アルゴス。この4人により物語は進んでゆく。ある日、街でティートはジータと出会い、一方アルゴスモルトを追っていた。そしてモルトは、ジータを狙っている。突然、物語は展開する。ジータはモルトにより殺されてしまうのだが、そこに現れたアルゴスにより復活する。ジータとモルトアルゴスは生命を操る術を持つ民族の血を持っていたのだ。  そこから続いていく物語は、「生死とは何か」を掘り下げる。不死の一族の歴史。彼らは不死の果てに幸福を手に入れられたのか。再生能力を持つアルゴスは何を見てきたのか。そして、突然不死となったジータはこれからどうするのか。  終幕まで淡々と、丹念に心を描いてゆく。その描写のおかげで残る余韻が、もう一度読みたい気を起こさせる。(N)

 ◇ LUNO(1) 冬目景 エニックス



よくわからない生物、もにもにが何かやってる世界の話。作中では、「もにもに語」でセリフが構成され、この世界の解説も無しと、ひとつのワールドを作り出している。絵だけ見ていくのでも、作中の辞典を見てセリフを理解していっても楽しめる。(N)

 ◇ もにもに(1) 相原コージ 小学館



アクメツ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

アクメツ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

世の中の腐った奴らを退治するため現れた男、アクメツ。まずは私腹を肥やす役人達を相手に殴り込みをかけ、暴力でもって退治していく。そんなバイオレンスシーンが盛りだくさんだが、胸のツカエをスカッとさせてくれるのもまた確かだ。(N)

 ◇ アクメツ(1) 作画・余湖裕輝/脚本・田畑由秋 秋田書店



辺りでは負け無しの雀士・ケンタ。だが大事な勝負のため、強い打ち手を探しに来たヤクザから、父親は伝説の打ち手だったことを聞く。父を越え、かつて父と互角に戦ったという、毒蛇と戦うため、父と子は麻雀での真剣勝負を始める。(N)

 ◇ おうどうもん(1) せきやてつじ 竹書房



瀬戸の花嫁 1 (ガンガンWINGコミックス)

瀬戸の花嫁 1 (ガンガンWINGコミックス)

海でおぼれたところを誰かに助けられた長澄。助けたのは人魚の少女で、しかも家は極道だった。その上、掟により結婚することに。娘を溺愛する極道の父親などに妨害されつつも、掟に対して2人して筋を通そうとする様子が楽しいラブコメ。(N)

 ◇ 瀬戸の花嫁(1) 木村太彦 エニックス



(犬)ロッキー 1 (モーニングワイドコミックス)

(犬)ロッキー 1 (モーニングワイドコミックス)

親犬からミツオに拉致されたと思いこんだ子犬のロッキーの主観で語られるから、ほのぼのテイスト。抗議のハンストをするも、何も考えてないミツオに伝わらず、結局チーズを食べちゃうとかのストーリーや、子犬の表情がいちいちかわいい。(N)

 ◇ マル犬ロッキー(1)  杉作 講談社



Dawn 1―冷たい手 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

Dawn 1―冷たい手 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

妙な動物に路上で襲われた長沢は、ナイトシフトという病気に感染する。それは発病すると、正気を失い他人を襲うという。発病は避けられたが、ナイトシフトを狩る者となった彼は以前の生活とのギャップに悩む。今後まともな生活に帰れるのか?(N)

 ◇ DAWN〜冷たい手〜(1) 上田信舟 一賽社



高校生で、お寺に住み込みで修業に行った三休。その寺には、まるで仏様の姿を写したような高校生・仏太がいた。だが彼は、その姿とは裏腹に、学校ではブラックリストに載るような罰当たりな人間。この煩悩の多い彼に救いはあるのか?(N)

 ◇ あほんだら(1) こしばしげる 秋田書店



踊る!クレムリン御殿 駕籠真太郎 平和出版

ソ連のあることないことをテーマにはしているが、それをブラックジョークで塗り固め、エロ・グロ・ナンセンスとほんの少しのインテリジェンスが散りばめられた、とってもバカバカしいマンガ。でも、おバカかげんが結構いい感じで、笑える。(N)

 ◇ 踊る!クレムリン御殿 駕籠真太郎 平和出版