探偵手帳

探偵手帳

本物の探偵が語る本物の探偵物語
 探偵と言えば、すぐに思い浮かぶのは松田優作の「探偵物語」やアメリカのハードボイルド小説だろうか。スタイリッシュな探偵がくわえタバコで颯爽と立ち回る、そんなイメージを本書は冒頭から覆してくれる。  「僕は姓を藤井といい、通称ペロと呼ばれる中年の探偵です」という前書きから始まる本書は六話の短編集。探偵会社に勤めているサラリーマン探偵の筆者が調査した、六つの案件について描かれている。筆者の言う通り、内容はどれも地味な調査の連続で、小説のような派手さや練り込まれた衝撃はなく、当然カタルシスや救済もない。が、それゆえに地に足のついた泥臭さは、自分や隣人に起こりうることとして生々しく読み手に迫ってくる。  まじめだった同僚の失踪。連絡の途絶えた兄妹、宗教にのめりこんでしまった身内、事業の失敗…。何が起きてもおかしくない現代では、どれも聞かない話ではない。そして私たちが噂以上には知り得ない他人のプライベートに踏み込み、彼らの人生を渡り歩くのが「探偵」だ。多くの他人の人生、他人の物語をかいま見る行為はとりもなおさずドラマチック。小説やドラマの題材として探偵が愛され続け、人がその職業に憧れを抱くのは、おそらくはそのためなのだろう。(M)

 ◇ 探偵手帳 藤井弘司 アルファポリス



美人になりたい―うさぎ的整形日記

美人になりたい―うさぎ的整形日記

エッセイ「ショッピングの女王」で有名な中村うさぎが、女性誌の企画でボトックスを注射するプチ整形から、メスを入れるリフトアップ手術にまでチャレンジした赤裸々日記を初公開。担当医や精神科医との対談で自分の人生を振り返る。(M)

 ◇ 美人になりたい 中村うさぎ 小学館



「家出のすすめ」「毛皮のマリー」などで知られる寺山修司の没後20周年記念に新編集された名言集決定版。47歳で死去した彼の著作の中から厳選した美しい名言、そして鋭く物悲しい警句が並ぶ。初めての人は入門用に、愛好者は愛蔵用に。(M)

 ◇ 寺山修司名言集 身捨つるほどの祖国はありや 寺山修司 PARCO出版



ゴシップガール

ゴシップガール

NYやロンドンの女性に人気のベストセラー小説。マンハッタンの私立高校に通う女の子たちのゴージャスな恋愛とクールな生活を、ゴシップ方式のイニシャルトークで赤裸々に描く。ファッション雑誌のように、今のNYの情報が盛りだくさん。(M)

 ◇ ゴシップガール セシリー・V・Z 訳・鹿田昌美 ソニー・マガジンズ



自殺未遂マシーン

自殺未遂マシーン

現代美術界の異才・会田誠氏が制作した体験型アート「自殺未遂マシーン」を軸に著者の遍歴と体験を綴ったエッセイ。アニメ・文学・鬱・宗教・宇宙人と内容は多岐に渡る。首吊りワッカの向こうにジャンプした筆者が見たものとは一体…。(M)

 ◇ 自殺未遂マシーン 荒井倫太朗 ABC出版



対談上手

対談上手

山崎まさよしとアーティストたちが3年に渡って、笑いあり涙ありの対談を繰り広げたBREaTH誌の人気連載「対談上手(仮)」の単行本化。スペシャル対談や撮り下ろしフォト、ロングインタビューなども加わり、ファンにはたまらない一冊に。(M)

 ◇ 対談上手 山崎まさよし ソニー・マガジンズ



エミリー・ザ・ストレンジ

エミリー・ザ・ストレンジ

宇多田ヒカルが翻訳に初挑戦! 原作はサンフランシスコのアーティスト集団コズミック・デブリのキャラクター絵本。黒猫が友達という、宇多田ヒカル曰く「怪し系」の女の子エミリーが、黒と赤の鮮烈な画面構成と強烈な言葉遊びで描かれる。(M)

 ◇ エミリー・ザ・ストレンジ コズミック・デプリ 訳・宇多田ヒカル メディアファクトリー



常識力@検定.com

常識力@検定.com

挨拶からマナー、国際社会まで、気にならないようで気になる日本人の常識を、1〜3級にランク分けした常識力判定本。全208問の選択問題で、密かに自分の常識度を試したり、気楽にみんなで楽しんだりできる。常識人への道は結構厳しい?(M)

 ◇ 常識力@検定.com 日本常識力検定協会監修 講談社