Thorns

Thorns

偶然を装い訪れた夏の一枚
 「この夏の一枚」を決めかねていた。今年の夏をイメージさせるような一枚に、まだ出会っていなかった。そして届けられた『ザ・ソーンズ』のファーストアルバム。マシュー・スウィート、ショーン・マリンズ、ピート・ドロージという不世出のシンガーソングライターが奇跡的に集まり、築き上げた「エバー・グリーン」な世界観があふれる一枚だ。  「どこまでも純粋で、真っ直ぐ、自然に、自分らしく」。3人の汚れなきハーモナイズと、透明感に満ちたアコースティック主体の楽曲が織りなす純度100%のイメージは、現実には存在しないかも知れない。でも、心のどこかで願ってしまう「ひょっとしたら、まだ」という淡い夢想。湧き上がる期待に理由なんてない。ともすれば、夏特有の季節感が持つ、浮き足だった開放的な雰囲気のせいだろうか。いずれにせよ、可能性のある現実に賭けるわずか1グラムの希望を、自分がまだ持ち合わせていたことに驚き、素直に喜んだ。  当たり前のことだけど、毎年、夏は必ずやってくる。みんな平等に。けれど、その年の夏はたった一度だけ、人それぞれに違った形で訪れる。偶然を装いながらも、ちゃんと意味を持って必然的に…。そう感じさせずにはいられない『ザ・ソーンズ』。この夏の大切な一枚になりそうだ。(W)

 ◇ THE THORNS THE THORNS Sony Music Japan International



SWEET REACTION

SWEET REACTION

スピーディーなギターロック、ムーディーなミドルチューン、胸がキュンとなる極上のポップソングなど、カラフルな楽曲をギュッと凝縮。YOU THE ROCK★を迎えたシングル「CHANGIN'」も収録している。夏のヘビーローテはコレに決まり!(A)

 ◇ SWEET REACTION NONA REEVES コロムビアミュージックエンタテインメント



銀の龍の背に乗って

銀の龍の背に乗って

3年ぶりのシングルは、中島文学の集大成とも言える一大叙情詩。精神的な弱々しさと力強さの同居を、「銀の龍」という想像上の生き物を介在させて琴線に訴える。哲学を文学に書き換えるところが彼女の非凡さ。聖母マリアになる日も近い�佽W)

 ◇ 銀の龍の背に乗って 中島みゆき ヤマハミュージックコミュニケーションズ



ヒマワリサン

ヒマワリサン

ほんわかモードでのんびり聴くうちに、いつの間にか“前向きプラス思考”が胸に宿っている。程よい脱力加減が心地いい極楽常夏ポップス&ロック6曲を収録。「サマソニ」出演も決定した高松出身のVo.徳田率いるスムルース、ブレイクは目前�佽A)

 ◇ ヒマワリサン スムルース ネオプレックス



THE BEST OF CHABA KINEMA ROCK YUUGI

THE BEST OF CHABA KINEMA ROCK YUUGI

三線とギターを片手に“青春”を歌う、大阪のストリートから飛び出した異色ユニット。三線を担当する比嘉の出身地・沖縄の音色に、童謡、中国民謡、昭和歌謡ポップス、フォークと様々なエッセンスがミックスされた楽曲は、懐かしくも新鮮だ。(K)

 ◇ THE BEST OF CHABA CHABA BURGERINN RECORDS



一五一会

一五一会

BEGINが発見した、ギターと三線をチャンプルした和楽器一五一会」。マンドリンウクレレにも聴こえるこの楽器をフィーチャーして、「島人ぬ宝」などの名曲をリアレンジしている。晴れた夏空の下、穏やかな波に揺られているような気分に。(A

 ◇ ビギンの一五一会 BEGIN IMPERIAL RECORDS



MAD MONSTER

MAD MONSTER

ジャパハリネット、storm、ガンジンルーなど四国を代表する16バンドが集まったオムニバスアルバム。地元香川からはLIFEBAITが参加している。お気に入りのバンドを見つけて四国を盛り上げよう。8/14には高知でレコ発ライブも開催。(A)

 ◇ MAD MONSTER VARIOUS ARTIST MAD MONSTER



Loop (CCCD)

Loop (CCCD)

疾走感あふれる爆音ロックサウンドと、やるせない想いをがなり散らすヴォーカル。混沌としたナンバーが激しくうねるように、時に淡々と静かに響き、不安や焦燥感、切なさを募らせていく。胸をかき乱して、強烈な印象を残すセカンドアルバム。(A)

 ◇ Loop ACIDMAN Virgin Records



Living in America

Living in America

フー・ファイターズのオープニング・アクトを務めたこともあるスウェーデン発の新人ポップロック・バンド。馴染みやすいメロディと疾走感あふれる詞はどこまでもキャッチーで、甘酸っぱささえ感じさせる。失笑しそうなタイトルもご愛敬。(W)

 ◇ LIVING IN AMERICA THE SOUNDS Warner Music Japan