夢の国アメリカで、犯罪者を追って日本人が走る!
 日本人でただ1人、アメリカでガバメント・キラー(政府公認の殺し屋)と称される賞金稼ぎとして活躍している著者の生活と、仕事の中で出会った同業者との交流、犯罪者との戦いを描いたノンフィクション作品。文中では日本で私立探偵や取り立てをやっていた著者がアメリカに渡るまでと、渡米後に"カミカゼ"と呼ばれるまでになった経緯も語られている。  警察官でもなく、軍人でもない民間人に銃を持つ権利が与えられているアメリカの中でも、さらに賞金稼ぎには「殺す権利」まで与えられているという日本とはかけはなれた現実。そして毎日銃を携帯し犯罪者を追って東奔西走する筆者の日常は、まるで世の中にあふれるハードボイルド小説のようだ。危険の少ない取り立てのような仕事でさえ発砲される危険があるのだから、並みの神経では耐えられない。  それでいて大物を捕まえない限り大した金額にはならず、捕まえたら捕まえたで、報復をさけるために強制的にFBIの保護プログラムを受けさせられて名前から社会保障番号、住所にいたるまでを別人に変えなければならないというリスクばかりの世界。海外で活躍する日本人は多いが、こんな分野でまで!と驚かされる1冊だ。(M)

 ◇ バウンティハンター 日本人ただひとり、殺しのライセンスを持つ男 荒木秀一 集英社インターナショナル



ぼくはタイガースだ Being The Tigers

ぼくはタイガースだ Being The Tigers

虎ファンで絵本作家の五味太郎が、絵と写真、でっかい字の素朴な言葉でタイガースとの子ども時代から今に至るまでのつきあいをほのぼのと語る。本の英訳はBeing the TIGERS.タイガースとして生きる、タイガースし続ける、だとか。(M)

 ◇ ぼくはタイガースだ 五味太郎 集英社



テレビ証券

テレビ証券

視聴する側の意識にはあまりのぼらない視聴率を株価に置き換え、脚本・主題歌・人気の推移などを面白おかしく座談する2000年1月クールから2003年4月クールまで。ページ端には推奨銘柄としてお勧め番組と見所が書かれており、隅まで楽しめる。(M)

 ◇ テレビ証券【データで読み解くテレビ裏事情】 指南役 日経BP



なぜ人は破壊的な感情を持つのか

なぜ人は破壊的な感情を持つのか

どうしてささいなことに怒ってしまうのか。破壊的感情はどうすれば抑制され、克服できるのか。チベット仏教の精神的指導者ダライ・ラマと、『EQ』の著者ダニエル・ゴールドマン、そして世界の科学者たちが熱く語り合った知的興奮を満たす1冊。(M)

 ◇ なぜ人は破壊的な感情を持つのか 著/ダライ・ラマ、ダニエル・ゴールドマン 訳/加藤洋子 アーティストハウス



ニッポンのサイズ―身体ではかる尺貫法

ニッポンのサイズ―身体ではかる尺貫法

スバル360マツダ360などの車の『360cc』という中途半端な排気量が「2合」から来ていたこと、知っていましたか? 茶道誌『なごみ』に連載されていた同名のコラムを単行本化。長さ、重さ、時間など、日本伝統の単位とその歴史を紹介する。(M)

 ◇ ニッポンのサイズ 身体ではかる尺貫法 石川英輔 淡交社



タウン誌『銀座百点』の座談会でホスト役をつとめてきた筆者が俳優、作家、編集者らゲストと語らった中で「これぞユーモア」と思った実例を挙げる。クスリと笑ってしまうやりとりの中に、それぞれの人柄がしのばれて温かい気持ちになれる。(M)

 ◇ ユーモアの流儀 小田島雄志 講談社



冒頭の食材にいきなり蜘蛛を持ってくるパンチのきいた構成だが、読み進んでいくうちにどの食材も筆者がいかにも美味そうに書くのでよだれが出てきそうになる怖い本。豊富に入っている写真からは土地土地の活気が伝わってくる。(M)

 ◇ 冒険する舌――怪食紀行秘蔵写真集 小泉武夫 集英社インターナショナル