東京リラックス

東京リラックス

夏の疲れは、きちんとケアしましょうね
 しかし、今年の夏も暑かった。毎日更新される最高気温、外へ一歩出るだけで汗が噴き出す、夜はクーラーなしじゃ眠れないほどムシムシ。これじゃ、体力も気力も削られてしまう。ああ、何とか元気になりたいものだが…。  と、ここで取り出したるのは一冊の本、タイトルは「東京リラックス」。東京を発信地に、マッサージ、アカスリ、エステ、温泉など様々なリラックススポットを巡る体験記なのだが、結論から言うと、この本を読むことがかなりの癒しであった。筆者は体験ものの第一人者(と私は思う)大田垣嬢。表紙を見てもらえれば一目瞭然だが、イラストを織り交ぜた漫画のような構成がとにかく読みやすい。活字ばかりの本は疲れてる人間にはちとキツイが、これなら読めそうだ。  最初に書いたリラックススポットなんて序の口。占い、催眠術、海外旅行と癒しの世界は無限大である。しかも、どの体験もとにかく・やってみたい・と思わせる表現力が凄い。そして、おもしろそうなことはやらなければ気が済まない、筆者の好奇心はもっと凄い。ああ、そうか。疲れただの癒されたいだの言ってるうちは、おもしろいことは体験できないんだ…と、さっきまでの疲れもいつの間にか忘れ、ついでに好奇心というパワーまで充電させて頂いたのでした。(F)

 ◇ 東京リラックス 大田垣晴子 文藝春秋



修道院のレシピ

修道院のレシピ

フランス・ブルゴーニュ地方で、花嫁修業に欠かせないアイテムとして伝わるレシピ集。「フランス料理」じゃなくて「フランスのお母さんの家庭料理」だから、本そのものから料理の暖かさが伝わってくるみたい。料理写真も何気なくてオシャレ。(F)

 ◇ 修道院のレシピ 猪本典子 朝日出版社



Dear Girl (SANCTUARY BOOKS)

Dear Girl (SANCTUARY BOOKS)

女優、歌手、作家など各界で活躍する女性達の言葉を集めた、まさに「女性のための」一冊。落ち込んだ時、迷っている時、ふと思い出すような素敵な言葉がぎゅっと詰まっている。頑張れない時に頑張っている人の言葉は、人を元気にしてくれるのね。(F)

 ◇ Dear Girl SANCTUARY BOOKS サンクチュアリ出版



上海キャンディ

上海キャンディ

“中国現代文学の彗星”と称賛された女流作家による長編小説。「少女のセックス、ドラッグ、売春を盛り込む」「出版と同時に発禁に」など・過激本・の仮面に騙された。この恥ずかしいほどの純粋さと言ったら。どう読んでも青春小説でしょ、コレは。(F)

 ◇ 上海キャンディ 棉棉 徳間書店



ニングルの森

ニングルの森

北の国から」などを手がけたシナリオ作家による初の童話集。北海道の山奥で暮らす体長10数センチの小さな先住民族・ニングルの生活を描いていく。ドラマとは違って、泣ける種類の作品ではないけれど、心に染みいるような優しさがある。(F)

 ◇ ニングルの森 倉本聰 黒田征太郎 集英社



「所詮はテレビの実験企画ものでしょ」とあなどることなかれ。土を耕し、野菜を植え、薪を作り、米を収穫する。採れたもので漬け物、納豆、そばを作る…などの課程が詳しく解説され、下手な田舎暮らし入門書より役立ちそう。テレビってすごい。(F)

 ◇ DASH村開拓記 日本テレビ放送網株式会社 東京ニュース通信社



琴電のある風景―高松琴平電鉄志度線・長尾線写真集 (Rail Graphic Gallery)

琴電のある風景―高松琴平電鉄志度線・長尾線写真集 (Rail Graphic Gallery)

その魅力に取り憑かれ、何度も通ってはシャッターを切ったというカメラマン・吉田氏。そうしてできた写真集は、彼の被写体への愛に溢れる。高松琴平電鉄こと通称「琴電」。普段から見慣れている市民でさえ、なんだか暖かい気持ちになった。(F)

 ◇ 琴電のある風景 吉田明宣 光書房



トキオ

トキオ

1979年、浅草。23歳の青年・宮本の前に17歳の青年・トキオが突如現れる。彼は自分が宮本の息子だと言い張るが…。「東野と言えば」のSF&人間ドラマ。ミステリー色も強めで一度読み出すと止まらないタイプながら、最後にはホロリと来ます。(F)

 ◇ トキオ 東野圭吾 講談社



孤独

孤独

子供の頃、青春時代、家族のことに加えて、愛人、酒、暴力、果ては宗教までに及んでしまう。日本では知らない人の方が少ないだろう、北野武・55歳の告白。そこにはコメディアンでも映画監督でもない、一人の表現者がただ存在していたのだった。(F)

 ◇ 孤独 北野武 ロッキング・オン