PINKIE’S ROCK SHOW

PINKIE’S ROCK SHOW

“ダサイ”と“カッコイイ”の境界線はなくなった?!
 このむずがゆいような懐かしいサウンドは何だ。60年代ほど前じゃない。もっと最近の、だけど微妙に“昔の”。そう、たぶん80年代くらい、アイドルとか歌謡曲とかディスコチューンとかその辺り。そんなに昔のものじゃないから“懐かしい”だけでは収まらず、気恥ずかしさを含む“少しのダサさ”を感じてしまう。「悲しみとハートビート」「テケテケTENGU」など、タイトルや詞もしかり。ダサイ、だけどなんかすごく気になる。それが第一印象。  そこで2、3回繰り返して聴いてみると、受ける感じがだんだん変わってきた。考え抜いて到達したような印象的なメロディ、ポップを匂わせながらもロックを貫いているサウンド、歌の合間に絶妙に入るキーボードのフレーズなどが、強烈に耳を刺激し始めたのだ。ダサさに気を取られて気づいていなかったのは、“今”の要素をふんだんに盛り込んだ表情豊かなカッコよさ。おまけに、ダサいと思っていた音すら新鮮に思えてきたりして。…コイツら狙ってたのか?!  「懐かしさ」と「新しさ」、「少しのダサさ」と「カッコよさ」を曲に応じたさじ加減でブレンドし、まったく例を見ない音楽に仕上げる。非常に難しいバランス配分をサラリとやってのけたこのアルバム。音楽の幅はまだまだ無限だ。(A)

 ◇ PINKIE'S ROCK SHOW/Hermann H.& The Pacemakers・平床政治・岡本洋平・Kyon/WARNER MUSIC JAPAN



三日月ロック

三日月ロック

結成15周年を迎えたスピッツ、10枚目のアルバム。マサムネの限りなく透明な声が、童話を語るように歌を紡いでいく。ミディアムバラードはゆるやかな海の波、賑やかなパワーポップはオモチャの行進。浮かぶ情景とともに心は別世界にいる。(A)

 ◇ 三日月ロック/スピッツ草野正宗亀田誠治・クジヒロコ ユニバーサルJ



The Very Best of MTV Unplugged

The Very Best of MTV Unplugged

MTV UNPLUGGED」に登場した18アーティストの名曲をパッケージ。収録曲は「今夜きめよう」(R・スチュワート)「アイロニック」(A・モリセット)「リンガー」(クランベリーズ)など。ちなみに18曲中10曲は世界初CD化のお宝モノです。(W)

 ◇ The very best of MTV UNPLUGGED/Various Artists/Universal International



「ウォー!!!」BOSSが盟友Eストリート・バンドとともに帰ってきた。オリジナルとしては18年ぶり。熱いよ。ただその暑さは、以前のように拳を上げるのではなく、振り下ろす感じ。昨年のテロ事件も色濃く反映している。ロックの殉教者が戻った。(W)

 ◇ THE RISING/BRUCE SPRINGSTEENSONY RECORDS INTERNATIONAL



曽我部恵一

曽我部恵一

サニーデイ・サービス解散後、まさに待望の1stソロアルバム。サニーデイの雰囲気を残しつつ、日常を切り取ったような飾らない言葉で優しく歌う。雪や小雨みたいにしんしんと胸に降り積もる穏やかな音楽は、安眠剤にもなりそう。名盤です。(A)

 ◇ 曽我部恵一曽我部恵一/UNIVERSAL-J



九月の空- Kugatsu No Sola (CCCD)

九月の空- Kugatsu No Sola (CCCD)

インストの表現力爆発。覚えやすいメロディなどイイ意味で一般ウケする音は、ストリート経験豊富な彼らならでは。インディーズ時代の集大成…かと思ったら、さっそく実験的試みもあったりして心地よく裏切ってくれた1stアルバム全12曲。(SM)

 ◇ 九月の空 -KUGATSU NO SOLA-/PE'Z/東芝EMI



1-2-3-4!

1-2-3-4!

クーラ・シェイカー」のクリスピアン・ミルズが新バンドで復活。「感動的な音楽は、難解・複雑にする必要はない」とミルズ自身が語る通り、ソリッドでストレート、そしてダイレクトに伝わるサウンドを展開する。ブレイクも時間の問題。(W)

 ◇ 1-2-3-4!/the jeevasSONY MUSIC ENTERTAINMENT



October Road

October Road

実り高い一枚。家族や友人、仕事仲間など、人生で触れ合う人々の機微を、カントリー&フォークを基本に温かく紡ぐ。アルバムタイトル曲ではライ・クーダーが参加。J・テイラーの牧歌的な詞をライのギターが優しく包む名曲だ。(W)

 ◇ OCTOBER ROAD/JAMES TAYLORSONY RECORDS INTERNATIONAL



ホーム

ホーム

どうしてこんなに切ないんだろう。雨・夜・涙。キーワードみたいな言葉がいろんな曲に散りばめられてるけど、悲しい理由は見あたらない。声もキーボードやギターも泣いてるみたいで、寂しくなるのにまた聴きたくなる。心の裏側に触れる音楽。(A)

 ◇ ホーム/GOING UNDER GROUND/VICTOR ENTERTAINMENT