書きくけこ 1 (モーニングKC)

書きくけこ 1 (モーニングKC)

文字に力を! 書は心を動かせる。
 作中にこんなセリフがある「文字なんてものは人が勝手に作り出した記号で、それ自体価値あるものではない。そんな道具が、商売になるなんて世も末だ。」と。  確かに道具だ。一方で綺麗な字にあこがれ、また感動する心も確かに存在する。古くから字がうまいことは賞賛の対象であり、それは書を生業とする書家がいるのを見ても明らかだ。だがその字が意味を持ち、感動させる理由はなんだろう?  主人公は一文字巧美というその日暮らしの生活をする自称書家。若手書家として活動しているが、数ある書道の団体には所属せずに、唯一人で内職などもしつつ書いている男だ。しかし彼の文字には力がある。それは彼にとって書が、自分と向き合って、見つめきった末に出てくる感情の発露であるからかもしれない。書=自分。だから、書の原動力となる自分の道を行く覚悟は絶対に曲げない。  そんな格好良さを持つ主人公が一話読み切りの話の中で、書にまつわる事件を解決していく。とぼけているようだが、いざというときに熱い。そして毎回、男気ある性格そのもののような文字を一文字残す。その文字が、やたらびしっと決まっているのだが、なんと実際の書家が書いているそうだ。  思いを伝えられる書は、揺るがない価値をもつ。(N)

 ◇ 書きくけこ/くさか里樹,吉川壽一/講談社



地の子 (1) (ジャンプ・コミックスデラックス)

地の子 (1) (ジャンプ・コミックスデラックス)

農業がテーマの社会派マンガの感じが強い出だしで、堅い話になるかと思いきやとても熱いマンガだった。食糧自給率を上げるように、と首相の指示を受けた役人・夏目駿太郎が過疎の農業学校で、生徒が農業への興味を持ってもらおうと奮闘する。(N)

 ◇ 地の子(1) 原作/毛利甚八 漫画/幡地英明 集英社



そらトびタマシイ (KCデラックス アフタヌーン)

そらトびタマシイ (KCデラックス アフタヌーン)

フクロウの雛を踏み潰した少女・真貴は、頭に羽毛が生えるという呪いにかかる。人と犬が同化した奇怪な女に除霊を頼むが…。表題作のほか、皮膚から砂を吹き出す女の話、神力を人殺しにしか使えない少年の話など、奇妙で悲しい6編を収録。(A)

 ◇ そらトびタマシイ 五十嵐大介 講談社



switch 1

switch 1

広がり続ける麻薬汚染。都会を舞台にその蔓延を取締り、元を絶つべく働いている穏和な新人麻薬取締官カイは、ある日の取締りで人が変わったかのように犯人を打ちのめす。主人公を始めドラッグを中心に数々の謎が秘められたサスペンス。(N)

 ◇ switch(1) naked ape エニックス



復讐のように (ジェッツコミックス)

復讐のように (ジェッツコミックス)

「復讐してやる」と3ヶ月前に別れた彼女が部屋にいた。先に新聞読んだり、洗面所を使ったりとかわいい復讐をしながら居座っている。その仕返しに知らん顔している自分。でも結果的にずっと一緒にいる。そんな表題作をはじめ美しく切ない9編。(N)

 ◇ 復讐のように 二宮ひかる 白泉社



ティーンズブルース 1 (ビッグコミックス)

ティーンズブルース 1 (ビッグコミックス)

母子家庭だからと、納得して地味に生きているアサミが、同級生にそそのかされたブルセラバイトでお金を手にしたことをきっかけに、悪いホストに騙されはじめ…。今どきまれな純粋女子高生のブルース。しかし、だから不幸だとは言い切れない。(S)

 ◇ ティーンズブルース(1) コージィ擐城倉 小学館



江戸むらさき特急」で時代劇中の人達が日常にいたら、を馬鹿馬鹿しく描いたギャグマンガを生み出したほりのぶゆき。今度は怪獣をパロッてこれまた日常に当てはめた。怪獣の書き方が適当具合が良く、オーソドックスで飽きない笑いがある。(N)

 ◇ メカ怪獣人生 ほりのぶゆき 小学館



リリース 1 (電撃コミックス)

リリース 1 (電撃コミックス)

5年以上前の記憶がない少年・蓮川。いつか過去が戻ると思いながらも普通に過ごしていたが、突然奇妙な現象と共に70年後に連れて行かれた上、彼の中には別の人格カイが眠ると言われる。見知らぬ未来の東京で繰り広げられるSFアクション。(N)

 ◇ リリース(1) 相楽直哉 メディアワークス



地球が核戦争によって滅んで50年後。核シェルター「ドーム」に逃れ生き延びた一握りの人達がいた。ようやく外に出られたものの、地球の傷は癒えてはいなかった。深刻ながらも、子供達の優しい視点がほのぼのとしているヒューマンドラマ。(N)

 ◇ ドームチルドレン(1) 山崎風愛 エニックス