Retro

Retro

ダンス・ビートで装う洋楽界のDr.レクターが復活
アルバムが届いたときは「何枚目のベスト版や!」というのが率直な感想。「代表曲のBlue Monday入ってるね。近作『Get Ready』からも…」。でもそれは、彼らの末恐ろしい“本気”に気付くまでの序章に過ぎなかった。  本作は、Fuji Rock Fes出演も記憶に新しい、ニュー・オーダーの4枚組“お値段少々高め”のボックスベスト版だ。内容は、DISK1がヒット曲集、DISK2が初期のベスト集、そしてDISK3が、伝説のクラブ「ハシエンダ」のDJが選んだリミックス集、DISK4がプライマル・スクリームのボビー選曲によるライブ・ベストという全57曲! 1・2枚目は、まぁいいでしょう。懐古趣味的にも、ロック初心者にも。問題は3と4。彼らの曲が今のクラブで流れるの? 彼らって演奏、からきしダメじゃなかったっけ? ただ、一概に開き直りの姿勢とも取れない。事実、聴いていると、もしどこかのクラブでニュー・オーダーが流れるなら足を運びたいし、ライブがあるなら行ってみたい心境に陥る。不思議と時代に呼応しているのだ。もしかして、タイトルの「レトロ」とは彼らのアンチテーゼ? どちらにせよ、マジで作ってます。明快で美しいダンス・ビートに、“新しい秩序”をはらませながら。エッ、新しい秩序って? それは恐怖の…。(W)

 ◇ RETRO NEW ORDER WARNER MUSIC JAPAN



Raven

Raven

詩人ポーに影響を受けて開催された演劇「POEtry」がベースの文学的作品。コンテンポラリー・ミュージックと詩の融合が、壮大なスケールで展開されている。ゲストにデヴィッド・ボウイウィレム・デフォーが参加というのも、きてますね。(W)

 ◇ THE RAVEN LOU REED WARNER MUSIC JAPAN



Readymade Digs Disney(CCCD)

Readymade Digs Disney(CCCD)

いつか出ると思ってました! 小西康陽によるディズニー・カヴァーアルバムは、おなじみのナンバーに小西テイストをたっぷり加えたワクワクするようなファンタジーの世界。水森亜土ムッシュかまやつという個性派もゲスト参加してます。(A)

 ◇ Readymade Digs Disney 小西康陽 Walt Disney Records



群青

群青

曲ごとに表情を変える印象的なギターの音色が、時折がなる少しかすれた声と同じくらいやるせない感情を表現している。不安、切なさ、寂しさ、後悔。“痛い気持ち”が詰まったロックは聴くたびに胸がうずくけれど、真っ直ぐだから愛おしくなる。(A)

 ◇ 群青 LOST IN TIME Libra records Single



天才と幽霊

天才と幽霊

ひねくれメロディと英国的ギターポップに磨きがかかった2nd。メンバー4人中3人(男女とも含む)が作詞作曲とヴォーカルを担当するので、統一感はあるけど多彩な音楽性が1枚にギュッと凝縮されている。聴き込むほどに味が出そう。(A)

 ◇ 天才と幽霊 ママスタジヲ PONY CANYON



ライヴ・アルバム ?サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態

ライヴ・アルバム ?サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態

唯一無二のライブバンド・ナンバーガール、解散。昨年11月、札幌で行われたラストライブが2枚組となって音源化された。叫びとメロディが同化したヴォーカルと叙情感漂う疾走爆音サウンドは胸に深く刻まれ、奥から熱いものが込み上げてくる。(A)

 ◇ サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態 NUMBER GIRL 東芝EMI



Nocturama

Nocturama

ニックの不安定な世界観が爆発! まるで社会との合わせ鏡のように、ひっそりと、震えながら、弱々しくも、確実に矛盾と混沌をえぐる。そしてどのナンバーも、あまりに美しい。退廃美? いえ、彼のアプローチはもっと余裕がなく、切実です。(W)

 ◇ NOCTURAMA NICK CAVE AND THE BAD SEEDS 東芝EMI



Sunny!? (CCCD)

Sunny!? (CCCD)

小気味いいラップとR&B調のソウルフルなメロディライン、エモーショナルなロックサウンドをまんべんなくミックス。1曲の中で曲調が何度も変わるが、違和感なく消化させている。無限の可能性を感じさせる新人バンドのさらなる飛躍に期待。(A)

 ◇ SUNNY�𠂉GQ06 東芝EMI



recorded @ OUR ROOM Vol.2 YOUNG LOVERS e.p.

recorded @ OUR ROOM Vol.2 YOUNG LOVERS e.p.

表題曲は海の泡みたいなエレクトロサウンド、澄んだ声、キレのあるホーンが絡み合い押し寄せる音の波。カップリングは打って変わって、霧の森にいるような緩やかなアコースティックナンバーとラテン。正反対の3曲ながら、どれも秀作です。(A)

 ◇ YOUNG LOVERS e.p. NORTHERN BRIGHT SYFT RECORDS