G戦場ヘヴンズドア 3集 (IKKI COMICS)

G戦場ヘヴンズドア 3集 (IKKI COMICS)

漫画の世界の青春、ここに堂々の完結。
 人気漫画家の父を持つ堺田と、敏腕編集者の父を持つ長谷川鉄夫、二人の高校生が出会った偶然の必然から物語は始まった。互いの才能ゆえに孤独に閉じこもっていた二人。堺田は父が漫画のために自分と母を切り捨てたと憎み、父が漫画を書きつづける理由になった鉄夫の存在を憎み、それでも彼の才能に魅せられた。鉄夫は父親から幼い頃に投げつけられた「お前はニセモノだ」という言葉に呪縛され続け、漫画の世界に踏み込むことを恐れながらもペンを捨てられないでいた。  かたくなな魂同士が引き合い?つかり合って互いを傷つけ、あがき続けた果てに見えたものは何か。  大人びた子どもや少年像を描くのは簡単だが、傷つきながらも真っ直ぐに進もうとする青少年の成長を描くのは難しい。ましてや漫画家が漫画の世界を描くとなれば、そして天才の苦闘を描くとなれば、てらいも出ようと邪推するもの。  しかし純粋で青臭く、あちこちにぶつかりながら成長していく二人や周囲の人間たちの様子は恐ろしいほど正統派。誰もが通ってきたかもしれない青春にも重なって、高みを目指す少年たちの物語は直視するのがまぶしすぎるほどに熱くて恥ずかしくて、そして切ない。(M)編集部にもファン多しの「G戦場ヘブンズドア」の日本橋ヨヲコさんは香川出身です。

 ◇ G戦場ヘブンズドア(3) 日本橋ヨヲコ 小学館



コミック 銭 1巻 (Beam comix)

コミック 銭 1巻 (Beam comix)

事故で生死の境をさまよっている少年に、語りかける声が。「君はライプニッツ方式と新ホフマン形式のどちらがいい?」(「いのちの値段」)。雑誌の発行、アニメーターの給金、コンビニ経営などをお金の面からコミカルに、時に切なく描く。

 ◇ 銭(1) 鈴木みそ エンターブレイン



眼前の敵

眼前の敵

肩の力の抜けた絵とひねりの効いたオチでクスリと笑わせる、戦争を中心にした4コマ漫画。本末転倒な命令、ダメな作戦、補給の悲喜こもごも、やる気の無い兵隊が後方に送られるためにとった方法など、中には結構ありそうな話も。(M)

 ◇ 眼前の敵 いしいひさいち 河出書房新社



Forget-me-not (1)

Forget-me-not (1)

伊万里マリエルは私立探偵。名探偵で大富豪だった祖父の遺産を継ぐ条件は、屋敷から盗まれた絵画「Forget-me-not」を取り返すことだけど、本人にその気はあるのかないのか…。Spirit of Wonderの鶴田謙二が描く美麗なヴェネチアの世界。(M)

 ◇ Forget-me-not 鶴田謙二 講談社



20世紀初頭のエウロパ大陸。戦争の傷跡生々しい敗戦国ガルマに吹き荒れる赤い風、そして再びの内戦…翻弄される歴史の中を学生バウ・ミュラーは駆ける! アニメ「名探偵ホームズ」+20世紀初頭の混沌の世界情勢に興味があるなら必見。(M)

 ◇ くろぼね(1) 真鍋譲治 メディアワークス



烏丸響子の事件簿 (2) (バーズコミックス)

烏丸響子の事件簿 (2) (バーズコミックス)

近未来の東京都・浅草。保安課の刑事烏丸響子は、町に出現し始めた「鬼」や怪異の存在に気付きながら何の対策も取ろうとしない警察に苛立ちを感じていた。しかし鬼の事件を追っていく中で、彼女の身にも変化が現れはじめ…。(M)

 ◇ 烏丸響子の事件簿(2) 原作・広井王子/作画・コザキユースケ 幻冬社コミックス



進め!聖学電脳研究部

進め!聖学電脳研究部

流行に流されていませんか? 好きなもの、自分で選んでますか? スクウェア、ゲーマー、コスプレ、同人誌に悪口言いまくり、救いがたいゲーマーどもが目に付くオタクをぶったぎる、逆切れ気味の学園漫画。読み手を選ぶので取り扱い注意。(M)

 ◇ 進め!! 聖学電脳研究部 平野耕太 角川書店



闇の声 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

闇の声 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

失恋から摂食障害に陥った少女。彼女に恋をした少年は「彼女が食事ができるようになるまで自分もダイエットを」とどんどん痩せ出すが、その痩せる方法には思わぬ秘密が(「血をすする闇」)。斬新なアイデアと緻密な絵で怖さ倍増の短編集。(M)

 ◇ 闇の声 伊藤潤二 朝日ソノラマ



グレイトフルデッド (マガジンZコミックス)

グレイトフルデッド (マガジンZコミックス)

時は清朝末期。昼は娼婦として精気を集め、闇においてはキョンシーを狩る女道士コリンとその相棒の老人の活躍を描いたハード・アクション漫画。闇の濃い画面とくせの強い絵、コオロギ賭博など風習の描写も雰囲気たっぷりの個性的な一冊。(M)

 ◇ グレイトフルデッド 久正人 講談社